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つんく♂曲、2000年代の紅白歌唱回数1位に。みなさんへの感謝

「NHK紅白歌合戦で歌われた回数の 『2000年代ランキング』」で、つんく♂が作曲家として1位となりました。「週刊ポスト」(小学館)に向けたコメントに大幅加筆・編集を加え、特別公開いたします。
(文 つんく♂ / 編集 小沢あや / イラスト みずしな孝之

アーティストとしての紅白、プロデューサーとしての紅白

僕が「NHK紅白歌合戦」に初出場したのは、1995年のこと。自分が作詞作曲した曲「ズルい女」を歌唱、しかもトップバッターとして出場出来たことはとてもうれしく、誇りに思っています。

毎年、トップバッターはその年にニョキニョキと頭角を現した歌手が出る枠。なんだか、オセロの角をひとつとったような気分でした。ただ、少々捻くれ者の僕は「ロックバンドとして、いろいろすべきことのうちのひとつを達成しただけだ!」と、ぬか喜びせず、冷静をよそおって自分に対しても周囲に対しても精神的にカッコつけていたように思います。その後、シャ乱Qとして1996年「いいわけ」1997年「パワーソング」で3年連続出場を達成しました。

その後、僕がプロデュースしたアーティスト「モーニング娘。」が出場した時、メンバーたちとスタッフ陣が本当にキャッキャとよろこんでいる姿を見て、僕も心からうれしく思ったのと同時に、「ああ、俺もこういうリアクションが出来る大人にだったらなぁ」なんて、客観的に思ってました。

その年の紅白に僕が出場したわけでは無いですが、自分がアーティストとして出場したときはまた違う喜びがありました。自分もプロとして認められたような感覚で、僕の分と彼女等の分合わせて2倍以上のうれしさを感じていました。

 1999年、紅白の舞台で『LOVEマシーン』が歌われた日

モーニング娘。にとって2回目の紅白だった1999年は、時代的には日本が本当に暗いと言われてた時期でした。大ヒットによって、僕自身も『LOVEマシーン』という曲に、勇気をもらったように思います。

『LOVEマシーン』はいわゆるアイドルが歌う曲ですが、ヒットの仕方が昔の歌謡曲や演歌のような感じでした。初週より2週目、3週目とじわじわ売り上げが伸びていったんです。ラジオや有線のリクエスト、そしてカラオケのランキングに数ヶ月間に及んでのランクイン。

当時のアイドルやポップス歌手の大半は、発売から数週間でドカッと売ったら、後は下がってく一方でしたが、モーニング娘。の『LOVEマシーン』は、9月にリリースしてから、年末までずっと売れ続けたように記憶しています。さらに紅白に出た後には、翌年にも渡って支持される楽曲となりました。とにかく息が長かったんです。

思えば、僕らシャ乱Qも息が長い曲が多く、『シングルベッド』も『ズルい女』や『いいわけ』など、何ヶ月も続いて有線のリクエストランキングやカラオケのランキングが上位で、結果半年から1年間というような長期間、ずっとチャートインしてましたね。

前提として、プロ作家というのは、瞬発力のある曲を書けて初めてプロと言えるように思うんです。実は、僕にも「初登場1位!」みたいなヒット曲がたくさんあります。(ちなみに浜崎あゆみが最初にオリコン1位を獲得した「LOVE〜Destiny〜」も、俺の曲なんやで〜! エヘン!) 

しかし、長期に渡ってヒットする曲って、結果論。最初から狙って書けるものでもないように思うんです。でも、僕の作品にこういうジリジリと染み込んでいく曲が多いのはちょっとした自慢です。僕の手がける曲に「するめ曲」が多いと言っていただける要因かなぁって思ったりします。

愛される楽曲を、これからも作り続けたい

週刊ポストさんが集計した結果によると、「NHK紅白歌合戦で歌われた回数の 『2000年代ランキング』」に、作曲家としてつんく♂が1位タイにランクインしたとのこと。

いやあ〜、本当の本当にうれしいですね。これこそ、狙って獲れる結果じゃないですし。長期に渡ってじっくり頑張ってきた結果だとするならば、本当にうれしいです。はい、ここでは素直によろこびたいと思います。

ここまでもたっくさんの方に応援いただいたということで、音楽ファンのみなさん、ユーザー、リスナーの皆様、カラオケファンのみなさまに本当に感謝です。そして、ここにきて改めて思うのは、なんといっても、歌っていただく歌手の皆様との一期一会。つまりは歌っていただく歌手との素敵な出会いと、そして、その歌声との出会い。これらがあって成立したわけです。この素敵な出会い。どんなに感謝しても足りないように思います。

声を失った僕ですが、今もこうやって音楽の仕事を続けられています。これも、僕の手がけた楽曲を歌ってくださる歌手のみなさんと、応援くださる音楽ファンのみなさんがいるからです。ありがとうございます。

今回の調査結果には誇りも感じますし、そして、「これからもまだまだ頑張れ!」と、自分に対して思うことが出来ました。本当にありがとうございました。2021年もがんばるぞ!!!

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