リビルドシリーズ① 9月29日配信Album「でっかい宇宙に歌がある!」ライナーノーツ
Dooon!の企画から飛び出したリビルドシリーズ①「でっかい宇宙に歌がある!」
いろんなプロデューサーといろんな歌手によって「つんく♂作品」をリビルドしてもらいました!
リビルド=Rebuild
つまり、「再構築」っていうんですかね。
もともとの素材(歌詞やメロディや雰囲気など)を生かしつつ、プロデューサーがまるまる新しいアイデアで好きなようにやっちゃってください!
って企画。
まあ、昔でいえばリミックスとかになっちゃうんだけど、またちょっと違うんよね。
と、多くを語っても仕方ないので、今日はその仕上がりを聴きながら僕なりの感想を書いていきたいと思います。
1.ザ☆ピ~ス!(リビルドVer.)
• Vocal BOOGEY VOXX
• Rebuild ピノキオピー
今年の1月にnoteでも対談したピノキオピーがリビルダーですね。
イントロからラテンな感じ、陽気で軽快で楽しげです。
この曲をこのアルバムの1曲目に持ってきてくれた意味がわかります。
でも、ザクザクとアレンジしたのではなく、よく聴くと細かい音源がたくさん重なってます。
しかも、どの音をとっても音の立ち上がりが良く、耳に心地よく入ってきます。(キックの音とか好きだ〜)
ピノキオピーの過去作品の中でも音源の量、結構多め!?って感じに思っちゃいました。
なんちゅうか具たっぷりな感じに仕上げてくれたんかな?と。
『つんく♂さんには特別「具」大盛りです!』みたいな感じ(笑)。
僕としてもとても嬉しい感じです。
おそらくピノキオピーもそもそものイメージを尊重してくれてるのが伝わってくるし、なので、その盛り上がり感みたいなのを上手にキープしつつ、でも、スピード感は2021年式!って感じでイカしてます。
ラップ含めたボーカル陣も大人なニュアンスで歌ってくれてます。男女混合の歌声は新鮮でした!
2.抱いてHOLD ON ME!(リビルドVer.)
o Vocal 天輝おこめ / 江戸レナ / 七海ロナ
o Rebuild ゆよゆっぺ
でた!やられた!って感じです。
僕が1998年に出した作品ですが、あれから20年以上経った今ですが、今回のリビルドによって、何千年も眠ってたマグマが大噴火したような熱量を感じます。
熱い!
そもそもマイナー調の曲なんで、重々しくかっこよくなる要素を持っているんですが、なんだかんだいっても当時17歳くらいだった安倍や飯田を筆頭に俗に「アイドル」と呼ばれる女の子たちが歌うので、ダンサブルなんだけど、かわいく仕上がってたんです。
そのイメージを180度ひっくり返した感じで、超ハードなアレンジ。
ギターの重さもリズムの後ろノリな感じもずっしり重くめちゃかっこいい。
それだけでなく、歌ってくれてる天輝おこめ / 江戸レナ / 七海ロナの三人の「ドヤ顔」が歌声を聴いてると浮かんでくるんです?
みなさんもそんなことない!?
いや〜、このリビルドの仕上がりっぷり、これには参りました!
3.♡桃色片想い♡(リビルドVer.)
o Vocal ココツキ
o Rebuild YASUHIRO(康寛)
この曲のリビルダーはYASUHIRO(康寛)氏。
頭の中の断面図を見てみたい!そう思わせてくれる仕上がりです。
え?!何が!?って。
そもそもの松浦亜弥が歌う「♡桃色片想い♡」を知ってたら、こういう音の積み上げ方にするのって超難しいと思うんよね。
なんちゅうか2かける2の答えが4ってわかってるけど、わざわざ3984➗996=という計算方式にして4を導き出すようなそんな感覚。
え?なんで、この積み上げ方になるの!?って。
でも、これがPたちのリビルドの楽しみ方の一つなんだと思います。
そして、この難しい割り算の計算式にココツキのメンバー2名の声が絡み合うわけです。
みんななんちゅうか「男前」な声で、さらに複雑な算式になってく感じ・・・。
なのに、答えは「桃色」と超わかりやすい。
ただし、めちゃくちゃ濃い桃色なんよね〜。
チョークやクーピーであわ〜く塗ったピンクでなく、どろっとした油絵の絵の具で、塗りたくったような「桃色」。
なのに爽やかなんよな〜。なんだろ!?これ、いや〜素敵でした。
4.乙女 パスタに感動(リビルドVer.)
o Vocal がぶりえる / nanoha。 / 響木アオ
o Rebuild niki
niki氏によるリビルド。
わ!なんだろ、この切なさ。めちゃセンチメンタルなんよ。
そもそものこの曲もふわふわ感を持っててセンチメンタルなんだけど、でも、そもそもはシャッフルのリズムで。
あのリズムがなんともいえないふんわり感を出してるんだけど、今回リビルドしてくれたアレンジは8ビートになってます。
ビートを変えると曲のニュアンスが大きく変わりそうなのに、ちゃんと維持されつつ、8ビードになることよって、強さが出て、で、ギターのその刻みが胸にキュンとささってくるんです。
歌ってくれた3人の歌い方は実は全然違うんです。
みんなきっとそれぞれのオリジナルを聴き込んで愛情たっぷりに歌ってくれてます。
そこにこの切ない8ビートが女の子の寂しい切ない気持ちをグングン突き上げてくる。
自分で書いた曲ですが、早く日曜が来ないとこの主人公は待ちきれなくって壊れちゃうやん!って思ってしまいました。
Bメロに入ったところのリズムのトリック面白いね。
5.気まぐれプリンセス(リビルドVer.)
o Vocal Sifar / 千条アリア
o Rebuild 香椎モイミ
わお!リビルド企画のど真ん中、どストライク〜!な感じでズボ!っとド真ん中に刺さった超クレイジーリビルド作品です。
なんでこの曲を選曲してくれたのか、じっくり語り合いたいところですが、選曲的にこの曲はコード進行にある程度支配されちゃうんで、リビルダーとしては避けたくなる(選びたくない)曲なんじゃないかな!?
って思うんですが、真っ向から勝負してくる感じがめちゃ素敵です。
何がクレイジーかって、まずベースラインです。
ウネウネうねってます。こんな表現今の学生たちに話しても絶対ピンとこないのを承知で書きますが、大阪でいう阪神高速環状線(東京でいう首都高)を走っていると後ろにべったりと車高を落としたシビックにパッシングされながらドケドケと蛇行しながら煽られてる感じのウネウネ感です。
あ〜絶対わからんと思うけど、めちゃスッキリした。
そんな感じのスリリングさがあってめちゃ気持ちええです、この感じ。
で、誰が運転してるんや!って追い抜かれる時に顔見たら、ちょっと茶髪やけど、でも清楚系の女の子たちやん!
みたいな驚きが、この曲を歌ってるSifar / 千条アリアのボーカルの声から感じました。
おそらくこの解説を理解してくれる人はかなり少ないかもしれないけど、でも、こう書きたかったので、仕方ありません!(笑)。
とにかく聴いてみてください!
6.恋愛レボリューション21(リビルドVer.)
o Vocal 熊間まゆ / 武井椿子
o Rebuild *Luna
ある種、僕は自分でセルフカバーとかリビルドし直すとなっても、いわゆる「ヒット曲」って(自分でいうのも何ですが)テコ入れするの大変なんです。そもそものニュアンスがいろんな方の頭の中にこびりついてると思うので・・・。
それでもこうやってチャレンジしてくれるのはとてもうれしいし、そして「さあ、どうやって料理してくれたんかな〜」って気になるわけです。
で、蓋を開けるとこの感じ!
オリジナルと全然違うのに、でも、パーティ感はしっかりあって、しかも、大騒ぎなパーティでもなく、クールな感じはするけど、でも、やっぱ盛り上がってるんよね〜。
音の積み方がオシャレなんかな。
都会にある高級ホテルのクールなバーのついたレストランみたいな空間で、クールなDJのバックトラックに乗せて、かわいい女の子たちが上手にお客さんを煽りながら歌ってくれてる、そんな感じかもしれません。
なんかオシャレな場所なのに楽しく、盛り上がってるんですよね。
「カクテルパーティーミュージック」って言葉をつけてみました!
超超超いい感じ〜♪
あたりの声の積み方がめちゃかっこかわいいんよね。
で、そっからにサビ入ると急に視界が広がっていく感じ。
室内を撮影してたカメラがドローンで窓から飛び出し、全面に海の景色が見えてくるようなそんな光景が浮かんできました。
7.もしも・・・(リビルドVer.)
o Vocal シスター・クレア
o Rebuild OSTER Project
まず、声に対してキー設定がちょうどいい。シスター・クレアの声が生きてくるキーとしてはまってます。
オリジナルと同じなんだけど、ファルセットと地声の間をうろちょろするこの危なかっしい感じ。
まるで彼女のために新たにキー設定しなおしたような。
そんな感じが超きもちいいです。
僕がこの曲を作って、最初にこのアレンジが来たら来たで、このパターン絶対採用しちゃうよな!っていう軽快感と、でも、ちゃんとヒット曲的なメジャーな要素が詰まってて、安定している。
こうやってライナーノーツとして解説を書いてる途中で、”あれ?俺のつくったオリジナルのアレンジってどうやったっけ?”
って思うほど、このリビルドが様になってるんです。
もしかしたら、この企画がなくってもOSTER Projectはこの曲ならこうアレンジしたい!って
そもそも心に決めてたんじゃないか!って思うほどよくできたアレンジです。
なんで2ビート的なジャズテイストにしあげようと思ったんだろうな〜。
素敵です!ベースの音源の選び方もねGOOD!
そしてなんと言ってもセリフ、いいよね〜。
8.でっかい宇宙に愛がある(リビルドVer.)
o Vocal 天曰ひよ / シマナガエナ / 紡音れい / 乃々花りあら / 日向あんず / 譜奏棗 / 藤多柚衣 / ぷろぽりす幸子 / ぼすけ
o Rebuild HiToNa
さ、アルバムの最後ですが、やっぱり盛り上がるしかないっしょ!ということで、アルバムのタイトルともかかってる「でっかい宇宙に愛がある」です。
この曲はモーニング娘。としてはこれまで24時間テレビで何度も何度も歌ってきました、あったかく愛のある曲なんです。
このHiToNa氏のリビルドヴァージョンも、あったかいんですが、モーニング娘。Ver.は夕陽が沈んでいくサンセットが似合うイメージのアレンジなんですが、このHiToNa氏Ver.は、全てのお祭りの一番最後、日も完全に落ちたあと、ハンカチ落としとかそんなイベントも全部終わったあと、キャンプファイヤーとしてでっかい炎を囲んでみんなで汗だくになりながら歌い踊ってる、そんなイメージの熱い熱いリビルドです。
正直、昨年のコロナ禍のこの時代ではありえないような話なんですが、でも、頭の中ではみんなが大きな声で歌いながら、汗だくで、しかもエンドレスで「でっかいでっかい宇宙にあ〜る♪」って歌ってる、そんな絵が浮かんできちゃいました。
早くそんな平和で楽しい日が戻ってくるといいですよね。
そんな願いを感じる最後にふさわしいリビリドナンバーでした。
そういう意味では人数感って大事なので、こうやってたくさんの人で
歌ってくれたのもこの曲の良さ!ってことでとても情熱的に仕上がってます。
ということで、全部で8曲。
もっともっと聴きたいですよね!?
シリーズ化するとおもろいだろうな〜なんて思ってしまいました。
しかし、本当みんな個性的で、僕の曲なのに、
なんか不思議な客観視しながら楽しませてもらいました。
さ、もう一回頭から聴き直してみよ〜っと。
商品詳細、配信情報はテイチクエンターテインメントのこちらのページをご確認ください。
https://www.teichiku.co.jp/catalog/imperial/2021/D-D176.html