モーニング娘。’22 12/21 Sg 「Happy birthday to Me!」ライナーノーツ
プロデューサーつんく♂として、
今のモーニング娘。が歌うべきメロディーを考えました。
つんく♂としての特徴をアピールすべき。
それは、耳に残るメロディー。
歌いやすそうなメロディー。
でも、実際はリズムが難しく歌いごたえのあるメロディー。
ここらを考慮しながら作っていきました。
作ってる時から考えていたのは、
時代を感じさせない普遍的な存在感。
流行りの音を追いかけるとすぐに古くなるし、
何か過去のノスタルジックさを追い求めると
企画色が強くなる。
「Happy birthday to Me!」は
そのちょうどいい感じの時代感を意識して作ってます。
思えば70年〜80年代のR&Bや
ディスコサウンドって今聴いても、古そうで古くない。
80年代に入ると打ち込みサウンドや、
サンプリングのリズム音も増えてくるが、
とはいえ、ギターやベースは人間が演奏しているので、
人間味やそこから感じるスリリングさがあって、ワクワクする。
結局2022年の今でも人間が本気で演奏している
技術力って感動もあるし、ドキドキする。
え!?こんなことが人間に出来るの?!というような「技」は
演奏に限らず、建築物でも、料理の技でも、いろんなところに
ありますよね?
「匠」な技も重要ですが、個性という意味では、
無我夢中で自分の中の最大限の努力の結晶のような
熱い魂も人を感動させますよね?
例えば日本の夏の風物詩、高校野球のようなものもそうだし、
幼稚園でお遊戯する我が子の辿々しい演技なんかもそうです。
唯一無二ってやつです。
脱線しましたが、
メロディーを作る時に、今回のテーマでもある
「時代を感じさせない普遍的な存在感。」
をだいぶ意識しました。
ポップスを作る上で、人間力を発揮する一番のポイントって
やはり「声=歌」の部分だと思います。
新人「櫻井」を迎えてのレコーディングとなるわけですが、
グループの声が変わっていくのも作品作りにはとても重要です。
僕にとっては、新しい「声」という楽器を手にするのと同じで、
それらをどう組み合わせるかによって、最終的な印象がずいぶん変わります。
彼女の今の精一杯の努力の結晶を音として仕上げていくことで
熱い感動を巻き起こす。
結果唯一無二の作品が出来上がると僕はそう思ってます。
陰口をいうのでもなく、
どっかSNSに匿名で書き込むのでもなく、
挙手をして誰からの発言かを銘打った上で
今の心の中のザワザワしてることを
ぶちまけたい。
ここ数年は本当に息苦しい生活を余儀なくされていたというのもあって、
誰しもが鬱憤を吐き出したい!って感じてるはずです。
青春の大事な時期をオンラインで過ごすなんて、
本当に寂しいことですが、
それが現状ですもんね。
コンサートが思うように出来なかったモーニング娘。にとっても、
いつも応援に駆けつけてくれるファンの皆さんにとっても
そういった意味でのフラストレーションもいっぱい溜まってることでしょう。
誰のためでもなく自分のためだよ!
ってことは常々話していますが、
モーニング娘。のメンバーそれぞれにとっても、
モーニング娘。の一員であってチームの輪を乱すことは
確かにご法度だけど、
でも、その前に「私」というアイデンティティがそこにはあるからね。
というお話です。
一番の歌詞では「全部放ちたい」
と言っておきながら二番では
「言いたくないことは言わなくていい」とも語っています。
結局それでいいんだと思っています(笑)。
Happy birthday to me
新しい私の誕生を自分でお祝いするような、そんな曲ですが、
毎回そうですが、新メンバーを迎え新しいグループなる新モーニング娘。は
いつもいつもその時が誕生日。
今回もまた新たなるモーニング娘。のスタートです。
どうぞ、これからも応援よろしくお願いします!