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モーニング娘。’22 12月21日発売Sg「Swing Swing Paradise」セルフライナーノーツ

プロのエンターテイナーであってほしい。
この曲はそういう願いを込めて作りました。
 
彼女たちが自分達を演出しやすい曲とはどんなのだろうか・・・
 
前シングルを作り終え、彼女達がその曲達を
プロモーションしている様子も伺いながら、
その頃には次の曲をどんな曲にしようかと考えているものです。
 
日本国内にもたくさんのガールズグループもあるし、
韓国にも刺激的なグループがたくさんあります。
 
モーニング娘。に今必要なものは個性です。
 
他との違いをいかにアピールするか。
 
それを曲で表現していくことが大事だなっておもっています。
 
彼女達が単にダンスのスキルだけをアピールするのではなく、
エンタメ力をアピール出来る曲。
 
それを念頭に置き、楽曲作りに入りました。
 
頭の中にイメージされたのは
真っ赤な口紅を引いた女性シンガーがガイコツマイクに
向かって高らかに歌い上げてるようなシーンです。
 
もちろんこれはイメージなので、結果的には
そうなってませんが、でも、そんなイメージが湧いたので、
そういう歌い上げるようなシーンから曲を作り始めました。
 
ただ、そのまま最後までそのニュアンスで進めるのではなく、
この曲はその冒頭部分を断ち切るような感じで次のシーンに移っていく。
 
印象をガラっと変えるために、スイングしたリズムの曲に切り替えました。
 
Aメロと言われる部分のメロディーはとても迷いました。
音符数を増やして歌わせたくなるんですが、
踊りやパフォーマンスを考えると、出来るだけ音数が少ない方が
いいような気がしてきて、極力音数を減らしました。
 
曲の要素としてはAメロと言われる部分ではあるんですが、
最終的に仕上がったものを自分で聴き直したら、
「あ〜、俺はこの部分を作りたかったんだな」って気が付きました。
だから、最後、このメロディーで終わっていくことにしたわけです。
実質、このパートがサビのように思います。
 
Bメロではこの曲の世界観を作り上げます。
夜のシーンであるということ。
外であるということ。
ビデオの監督にはテーマを「宇宙ブロードウェイ」
というようなイメージを提案させてもらいました。
この夜のシーンが宇宙に上手に繋がっていけばいいな〜って

 
paradiseから始まるサビの部分はとても重要です。
この歌詞で伝えたいことは、
主人公は愛する人のために全てを投げ出してでも、
なんでもしてあげたい。全力で戦いたい、そう思ってます。
が、しかし、「君」が望むものがわからない限り、
施しようがわからないわけです。
 
ドライブに連れてってほしいのか。
美味しい料理を作ってほしいのか。
高価なプレゼントがほしいのか。
ただ一緒にいてほしいだけなのか。
今は、ただほっといてほしいのか。
 
それを教えてもらえないと、
「君」なぜ機嫌がわるいのか。
「君」が今、悩んでいるのか。
「君」がなぜ楽しくないのか。
 
な〜んにもわからないわけです。
 
二番のBメロにも出てきますが、
謙虚にしてるのがいいのか、自分を大きく見せるのがいいのか。
本当のところはわかりませんが、
「本当に愛してるのなら、願っていることくらいわかってよ!」
なんてセリフがドラマやなんかで出てきそうにも思いますが、
でも、実際に何か自分の希望や思いがあるのであれば、
黙っているのではなく、積極的にアピールしていく方が
人生において正しいのではないだろうか。とそう思っています。
 
モーニング娘。のメンバー達においても、
謙虚に過ごすのではなく、積極的に自分アピールをしてってほしいな
ってそう思います。
 
曲が終わってエンディングに入ると、
もう一回冒頭のメロディが割り込んできます。
アレンジとして、普通に冒頭のメロディに戻ってくることも
考えたんですが、なんか普通になってつまらなかったんです。
 
ここはテレビのチャンネルを昭和風にかちゃかちゃ回してたら、
冒頭の歌手が割り込んできたような突然感の方がいいなって
思って。実際はラジオのようなチューニング音と共に
冒頭の部分を割り込ませました。
 
で、最後はさっきも話したように、
一番重要なメロディのAメロに戻ってきてフェイドアウトして
曲の終わりがないような雰囲気で終わっていく。
 
僕の中で、この曲にはっきりとしたエンディングをつけたくなかったんじゃないか
ってそう思います。



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つんく♂
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