
AIに絶対に負けないために、プロの作曲家・作詞家がこれからすべきこと。
マガジン「つんく♂の超プロデューサー視点!」のご愛読、ありがとうございます。今回は「ChatGPT」を使ってみたつんく♂が、AIが作詞作曲する未来に思いを馳せつつ、「AIに絶対に負けないために、プロの作曲家・作詞家がこれからすべきこと」をまとめたコラムをお届けします。
<文 つんく♂ / 編集 小沢あや(ピース) / イラスト みずしな孝之>
AIは作詞も作曲も「出来る」
昨今、何かと耳にする言葉として「ChatGPT」がありますよね? 僕みたいなおじさんがやいやい語るより、みなさんの方がよく知ってるとは思います。
一応、ざっくり説明すると、今までも「餃子の作り方を教えて」とか、「甲子園球場への行き方」など、調べたいことを検索するためにパソコンやスマートフォンを使ってきましたよね? これが40年前なら何か一つ調べるにも辞書や電話帳をパラパラと開かなければならず、物すごい時間がかかっていました。
それがGoogleなどを代表する検索エンジンの登場によって、英語の翻訳や、歴史の登場人物のこと、交通手段や美味しいレシピなど、ささっと調べられるようになりました。
今回注目を浴びているChatGPTは単なる検索エンジンではなく、人工知能を使ってアンニュイな質問にも答えを返してきます。要は使う側の質問内容や指示出しによって回答が変わっていくので、どう投げかけるかが重要です。
ところで、いろんな人が僕に「AIが作詞する日が来るんですか?」「AIが作曲しますか?」などなど聞いてきます。
答えは「出来る」です。
ただ、現段階ではデータがまだ少ないのか、人間のような柔軟性がまだ足りないのか。「出来る」か「出来ない」かでは「出来る」けれど、それが良いか悪いか、個性的かどうか、などはまだ未知の世界です。半年後には改良されてるのか、5年くらいかかるのか、「やっぱ人間味は出ないね」なのか、それはわかりません。
現状は季節の挨拶文とか、冠婚葬祭とかマニュアルとか、無難な文章作りには最適なようですね。読み込ませる資料が多ければ多いほど完成度も良いようですが、夏休みの読書感想文なんかにも適してるのかもしれません。出来上がったものをベースに、自分のリアルエピソードを加筆してしまえば、読む側はわかりませんからね。
AIに勝つために、プロの音楽家はどうするべきか
とまあ、そんな時代。作詞や作曲もあっという間にAIで出来るようになる時代がいつかくるとすれば、我々プロはどう構えておくべきなのでしょうか。
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