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伸びる人の条件5つ!

noteマガジン「つんく♂の超プロデューサー視点!」のご購読ありがとうございます。今回はたくさんの若手を育ててきたつんく♂が考える「伸びる人の条件」について、書き下ろしコラムをお届けします。
<文 つんく♂ / 編集 小沢あや(ピース) / イラスト みずしな孝之

今日は、長い間プロデューサーをやってきて、気がついたポイントをいくつか伝えたいと思います。これから芸能やエンタメの世界を目指す方、どうぞ参考になさってください。

もちろん、そのアーティストが持ってるそもそもの能力ってのは大事です。歌がうまい。ダンスがうまい。演技がうまい。美しい。高身長。手足が長い……などは持って生まれた才能ってやつですね。
 
こういうのに加えて、「性格」というのも、実は才能の一つかもしれません。優しい。気がきく。素直。悪口を言わない。わがままかどうか……こういうのは後天的(環境等も含めて)な要素が多いようにも言われます。が、性格が本当にいい子っていますからね。不思議です。
 
もちろん、親ガチャなんていう言葉が流行ったように、生活環境の中で心が荒んでいく子もいるでしょう。仲間との関係の中で、いじめ、いじめられ……というような中で性格が歪んでいくこともあると思われます。

結局のところ、実力の世界であるはずのエンタメや芸能やスポーツの世界も、最終的には性格や素行の悪いやつは続かない世界だって僕は思っています。なんせ全ては人間関係で成りたっているからです。
 
とっとと結論づけていきますが、才能が必要なのは当然です。それがエンタメの世界。スポーツ選手なら、そのスポーツで強いってことが大切ですし、それは歌手でも演技の世界でも同じでしょう。

「一握り」の中の「一握り」は、才能で世の中を圧巻します。放っておいても突き抜けるのでしょうね。
 
ただ、よく考えてみてください。大谷翔平選手のような「超スーパー一握り」だけで野球界が成立しますか? 「あ、俺は大谷になれないから野球しない」って世の中の野球に興味のある人みんなが野球を辞めたり、球界を去ったりしたら、どうですか? 野球をする人が数名になって、戦う相手すらいなくなります。野球界が成立しなくなるわけです。
 
なので、実は野球業界に大事なのは「大谷翔平以外」だと僕は考えます。野球界を支えているのは「超一握り」以外の人たちが努力し、隙間を狙い、切磋琢磨するから。だからこそ業界が成熟し、成り立ち、盛り上がり、さらにまた、次世代のスターを産んでいくわけです。そしてまた、もちろん才能に恵まれた大谷選手ご自身も、きっと凄まじい努力をなさっているとわかっています。

これと同じことが、芸能界にも言えます。大事なことなので、もう一度伝えますね。「超一握り」以外の人たちが切磋琢磨するから業界が盛り上がるのです。おかげで、僕のような雑草系のバンドマンも這い上がってくることができました。そして今も、どうにかしがみついています。
 
才能溢れる「一握り」の「才能マン」とは超無縁だったけど、同じように「一握り以外」の連中が時にはライブハウスで、イベント会場で、ストリートでと、しのぎを削って争ってるうちに「(自身の)才能以上の何か」に火がつき、その現象にファンが生まれ、才能以上の結果に繋がって行ったと思っています。
 
では、何が言いたかったか、まとめていきます。昨今のアイドル界隈でもモデル界隈でも、YouTuber界隈でも同じことでしょう。
 
才能あふれる「超一握り」は別次元なんだとして、結果、お茶の間的に現場を盛り上げているのは、それ以外の皆さんだと思いませんか? あなたかもしれない。はたまた隣のクラスのあの子かもしれない。ご近所のあのお姉さん。いやいや、親戚のお兄さん。
 
「最近、あの人SNSでバズってるらしいよ」「見た? あの子のインスタライブ。超おもしろくない?」……というように、超身近な人で普段もなんてことのないはずの人が「噂の人」になっているはずです。


同じ土俵の中で、皆が切磋琢磨し、現場が盛り上がり、人が噂するから、また新たな人が集まってくる。それが大きな市場となって、スターが生まれていきます。

さて、こんな令和4年の世の中で、伸びる人と伸びない人には、どんな差があるんでしょうか?
 
僕がこれまでプロデュースしてきた現場を振り返り、分析した結論をお話します。ずばり! 伸びる人は……。
 

1.自分を枠にはめない

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