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「つんく♂さん、15期ってどうなんですか?」モーニング娘。’21が突撃!

つんく♂とモーニング娘。’21の15期メンバー、北川莉央、岡村ほまれ、山﨑愛生の対談後編は、メンバーからの質問につんく♂が回答しました。「私に足りないものは何ですか?」という率直な質問など、つんく♂の回答はいかに? 前編記事はこちら。(編集 小沢あや / 文 羽佐田瑶子

歌詞は「世の中に対してツッコミを入れる感覚」で書くのがつんく♂流

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つんく♂:後編では、15期からの質問に答えていきましょうか。

北川:歌詞を書くときは急にふわっと文章が浮かんでくるのか、何回も考えて練り直して、という感じなのかどちらですか?

つんく♂:基本的に、歌詞は思いつくものでなく、絞り出すものなんよ。歌詞の書き方の概論はnoteに書いたので、機会があったら読んで欲しい。

つんく♂:普段から自分の頭の中で思っていることを絞り出すというか、思い出して書いていくんよね。難しいことはいらない。小学生でも思うような素朴な感覚でええねん。「何で信号は3色なんやろ」とか、「何で昼ごはんの後は眠いんだろ」とか。あとは、世の中に対してツッコミを入れているような感覚やな。「投票率が低いな」とか「温暖化怖いな」とか。そういう疑問や意見を頭の中にストックしておく。あとは音符やリズムに合わせて、歌詞を書く時にテーマやコンセプト、タイミングや歌う人に合わせて、その引き出しをひとつひとつ開けていく。どれをチョイスするかがセンスやけどな。

つんく♂:たとえば、北川が気に入ってくれている『信じるしか!』なんて、日常のあるあるだらけやん。「楽して儲からないかなー?」とか思うけど、そんなことないのが現実。もし、簡単に稼いでいる人がいたらめっちゃムカつくしね(笑)。だから、タダ飯は高いってことで冷静さを保つんよ。「見返りのない親切はあるだろうか」って歌詞なんて、書く側からしたらどっちも正解なんだけど、あえて疑問文で書くと、ちょっと文学的に見える技を入れ込んだ。あ、見返りのない親切はあるかどうか、北川の解釈を教えて!

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北川:解釈ですか……私は、見返りのない親切は「ある」と思います。自分は親切だと思ってやったけれど、相手はそう捉えていないこともある。人それぞれ考え方は違いますし、それが当然として生きてきた人も居るかもしれない。それに、育ってきた環境次第で「見返り」の基準が変わってくると思うので。

つんく♂:なるほど、素晴らしい解釈やな。誰かのために何かをした時に、「してあげた」と上から目線で思ってることもおかしいんだけど、「ありがとうも言わない人」とか思っちゃうのも、これまた人間の性みたいなもんなのかな。「本当の親切」なら、しただけで終わりなはずなのに。親切の押し売りみたいに「こんなにあなたのことを思ってしてあげたのに!」って、苛立つ感覚は、「俺も起こしやすい間違いやなぁ〜」って思ったことある。だから、それを歌詞にしたんよ。

怒られるくらい目立ってから、やっと一人前になっていく芸能界

岡村:モーニング娘。は世間的に黄金期、カラフル期、プラチナ期と例えられていますが、つんく♂さんは今の14人のモーニング娘。’21をどう見てますか?

つんく♂:最近はモーニング娘。のことをもっと見ようと思って。今回の対談もそうやし、新しいアルバムでみんなの声を改めて聴いたのね。正直、過去と比べて「良い/悪い」はないのよ。すべてが個性だから。その時のメンバーのベストを作るしかない、と思って俺は曲を書いてる。たとえば『ピョコピョコ ウルトラ』の時は、新メンバーともともといたメンバーの技術的な差がすごかったから、ああいう曲が出来上がった。

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つんく♂:今は、行け行けドンドンだった初期の頃のモーニング娘。とは違う面白さがあるし、パフォーマンスもすごい。ただ、みんなちょっと謙虚やな。アイドルでもタレントでもそうやけど、怒られるくらい目立たないとそれは音楽にも反映されない。音楽自体もどこか謙虚になってしまう可能性がある。今日のインタビューでも、こちらから3人とも名前を呼ばれないと答えないやん? 

北川:たしかに、そうですね。

つんく♂:もっと自分からガツガツ行かないと、芸能界ではやっていけないのかもしれないな、と思う部分もあるわ。特に俺はアメリカに住んでいるから、強く思う。順番なんて、待ってたら回ってこないってね。日本なら並ばなくっても権利のある人には行き渡るようになってるけど、アメリカの場合は並ばないと回ってこないし、なくなったら終わりやし、手を挙げないと、あっちから「あなたはどうしたの?」とは聞いてこない。

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つんく♂:アメリカの場合は、小学生の頃から自己主張して自分の存在や意見を伝えることを学ぶ。主張しない人は「いない人」、もしくは「どんな扱いになっても構わない人」とされるんよね。今の芸能界だって、アイドルもタレントもめっちゃいっぱいいるんだから、モーニング娘。内で遠慮して順番待ちしてるようでは、世間の荒波に立ち向かっていけないと思うな。比べるもんじゃないけど、初期のメンバーたちは、どんな時も「私、私!」となっていたところが歌声にも反映されてたし、曲の仕上がりにも影響した。それはバラエティ番組に出る時も、音楽イベントに出る時でも一緒。身内の集まりのハロコンとかひなフェスなんかは実践の場所かもしれないので、どんどん目立ってください。

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つんく♂:何年後かわからんけど、次17枚目のアルバムが出る時に、今日の話を聞いて15期のみんなが「つんく♂さんほら見て! 私はこんなに出る子になったよ〜!」となってたらおもろいな。声も音も、絶対に変わる。だから、俺も全然違う感覚で曲を作ることになるし。「岡村! これもええな、あれもええな!」と、ドキドキワクワクするやろうし。楽しみやわ。

岡村:私自身も、先輩方が発言されている場で、言いたいことはあっても「ここには入れない」と引いちゃうことが多いんです。

つんく♂:なんで?

岡村:「この発言が間違っていたらどうしよう」みたいな。授業で手を上げられない感覚に近いです。だから、もうちょっとガツガツいきたいし、自分を出していきたいです。

つんく♂:そんな遠慮はいらんよ。だいたい、今の先輩が正しいとも限らんし。間違ってみんなから「違うやん!」って総ツッコミもらった方が美味しい! って思うべきやしね。

初対面のつんく♂から見た、モーニング娘。15期分析


山﨑:次は私からの質問です。15期をそれぞれ一言で表すと、つんく♂さんのイメージで、どんな言葉になりますか?

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つんく♂

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総合エンターテインメントプロデューサー / TNX株式会社代表取締役社長。1992年、ロックバンド・シャ乱Qのボーカリストとしてデビュー。音楽家として作詞・作曲と、「モーニング娘。」をはじめとした数多くのアーティストプロデュースを手がける。