つんく♂式プロ芸能講義「アイドル〜女優まで編 」Q&A 第5回
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つんく♂式プロ芸能講義「アイドル〜女優まで編 」Q&A 第5回

つんく♂
中2映画プロジェクト2022オーディションに合格したヒロイン候補生たち。彼女たちから届いた「芸能界で活躍していく上での悩みや質問」に、つんく♂が回答します。これから芸能界を目指す人のために、Q&A講義を連載として無料でお届けします。第5回は、ヒロイン候補生「廣江 音采一凛、一花」からの質問につんく♂が答えました。
(文 つんく♂ /  編集 小沢あや(ピース) / イラスト みずしな孝之

廣江 音采(ヒロエ オトア)

Q:私は現在、地方在住で中学一年生なので、しばらくは地方から活動することになると思います。首都圏のオーディション等がなかなか受けにくい中で、地方からでも夢を叶えるために出来ることややった方がいいこと、地方からの良い発信の仕方などを教えてください!

廣江 (1)

つんく♂:近年、思った以上のスピードでオンラインが進んだので、地方からもずいぶん参加しやすくなったと思います。応募は地方からでも出来るので、出来る範囲で参加・応募すべきですね。

ただ、オーディションばかり受けていても、実力が伴ってないと意味がないので、レッスンや自己スキルを高める時間も考えなければいけません。今はいろんな情報がネットの上にも落ちています。そういう勉強も大事ですし、オンラインでのワークショップや、レッスンを受けることも出来るでしょう。

たしかに、東京には高いレベルの学校やスクールも多いし、個人レベルでの家庭教師のような演技や歌唱などの先生も多いのは事実です。そういう先生に教わることが出来ればよいかもしれませんが、大阪にも広島にも個性のあるスクールはあります。

こないだオリンピックで金メダルをとった女子スケードボードの選手・西矢椛ちゃんは、大阪で練習してレベルを上げていきました。もちろん途中、海外での遠征もされたようですが、スキルを身につけたのは、大阪の中でも決して真ん中じゃない場所でした。

このように「地方だからダメ」という感覚を消し去って、あとは力さえあれば、東京から歩み寄ってきてくれるはずです。「東京にきませんか?」「アメリカで戦いませんか?」などなど。地方からでも今の時代、十分やれるはずです。

ただし、今から未来をどうするかを決めておく必要があります。たとえば、高校生・大学生のタイミングで上京するとか。決めておくかどうかで、自分もそうですが、家族含めた周囲の対応や応援も変わってきます。

さっきの西矢さんも、いきなり「イタリアの大会に行きたい」って言い出したら親も「はぁ?」ってなります。しかし、それまでに大阪で1位になって、日本の大会でもいつも上位にいる子が「世界の大会に出たい」って言い出したら、親も「そりゃもっともだ」って思うわけで。なので、やはりそれまでの実績の積み上げは大切です。

闇雲に「東京に行きたい!」というのは、「ここに穴をほって温泉をひく!」と言ってるのと同じに聞こえちゃいます。だから「はぁ?」ってなるわけです。前もって、根拠を作って、それを積み重ねておく必要がありますね。

一凛(イチカ)

Q:他のヒロインの方達は目が二重でくりくりしているのに、自分は一重で目が小さいのが悩みです。自信を保つ方法はありますか?

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つんく♂:なるほど、これには2つの考え方がありますね。

韓流やアジアのスターの中には、一重だから個性的な役者となれている人もいます。とくにアジア人の顔は細い目に対して、派手なメイクをする事で目立つ事が出来るという事もあります。

なので、1つの考えとしては、一重である事を生かした人になること。役者なのか、歌手なのか、モデルさんなのか、その辺はわかりませんが、人間として個性を出していくことがどっちにしても必要ですからね。

2つ目としては、メイク美人になるということ。上手にメイクをすることで、整形手術をせずども二重のように見せることは出来ます。毎回毎回で面倒かもしれませんが、それでも頑張ってメイクしてる子、ハロー!プロジェクト内に過去たくさんいました。そういうのも絶え間ない努力の一つですね。自分を上げていく方法です。

付け加えておくと、2つ目の延長として、整形手術というのも現在とあっては、考えの中に入れておく必要があるのかもしれません。歯の治療も含めて、時には力技が必要な時もあるでしょう。しかし、お金もかかるし、体にメスを入れるとなったら、ご両親とも相談が必要です。

ただ、僕関連のオーディションの段階では、カラコンや派手なメイクをしてきても、それは審査の対象外です。「素」がみたいので、見栄えがいかによくっても個性を消しているものは、かえってマイナス判断となる要因です。

まずは自分磨きをしつつ、自然な中で個性力を出すことを日々考えるのが良いように思いました。

一花 (ヒミカ)

Q:オーディションで選ぶときに、何が1番の決め手ですか?

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つんく♂:オーディションの目的によりけりですが、歌手なのか、役者なのか、モデルなのか、お笑いなのか、などの目的を判断しながらになります。

たとえば、僕が選考する場合は、歌手であっても役者であっても、まずは人間力をみます。

ルックス
所作
性格(考え方や話し方)
個性(光り方)
リズム感

歌手ならば歌唱力、役者なら演技や声のボリュームです。

ルックスというのは、顔はもちろん、髪型や頭の形なども含まれます。あとは、全体のバランスですね。全身と顔の比率や手足の長さ、大きさを見ます。

もちろん、その子のキャラにあってるかどうかです。全員が8頭身で、手足が長くある必要はないわけです。そんな映画は不気味ですからね。歌手にしても、グループならばグループの個性が必要。なので、いろんなタイプの子がいるから個性も引き立つわけです。

一番困るのは、ルックスの判断をしにくい格好できたり、髪型をガチガチに決めすぎてて、顔が隠れて見えないケースです。選ぶこっちは「見せたくないなら、まあええか」と戦意喪失することも多々あります。オーディションの段階でガチガチに心を決め込んでいくのは、落とされる要因となるでしょう。

所作というのは、育った環境や、その子の本質というべき部分。なので、これはとても大事です。昨日今日で急に変えれるものではないので、僕はこの辺もよく見ます。

8頭身でダマっていれば品もある顔してて、「ああ、いいな〜」って思っても……なんだかガサツであったり、食べ方が下品だったり、口の利き方がなんとも言えない品のなさのようなものを感じる子は、バランス時代の昨今では、集団の中に溶け込めません。

映画のチーム、アイドルグループの中に入っても、かき回すだけになったり、チームに悪い影響を与える可能性があるので、僕はその辺をよくみます。これは、勉強は出来る出来ないとは違う部分です。

性格も所作に近いですね。質問事項に対して、最初に手をあげられるタイプか、とか、2〜3人の様子を見てから発言するタイプか、まとめるタイプか、一人でやりたいタイプか、なども見ます。あとは考え方ですね。人の話が聞けるのか、社会に対してどうあるべきかを考えているか? など。

それと、エピソードトーク力です。お笑い芸人のようなトーク力を求めているわけではありません。ただ、自分の周りで起こった事をどうやって話すか。これはとても重要で、訓練で上手になる部分です。

そして個性。光り方と書きましたが、若いうちは特にそうです。とにかくそこで立っているだけで、絵になる子も居ます。100人の集団の中に入っても。なぜか光る子もいます。こういう才能を見ますし、僕との相性もあるでしょう。

もちろん、「審査員との相性」って意味です。「こっちのオーディションには最終選考まで行ったのに、あっちでは書類で落ちちゃった」みたいなケースもあります。「ある審査員には光って見えたのに、こっちの審査員には光ってるようには見えなかった」ってこともあるからだと思います。審査員のレベルやタイプにもよるってことですね。

そして、大事なリズム感。これは、「間」とか「空気感」にも近いのかもしれません。話し方や動きそのものから、どんなリズム感があるか。僕の場合は、とても気になります。

もちろん、本当の意味のダンスや音楽に対するリズム感もあるでしょう。「何をやらせてもうまいな〜」って子も、「なんかどうもどんくさいな〜」みたいな子もいるわけです。それは会話のリズムや、動きのリズムってのもあり、ある程度は鍛えられます。メイクや服装をどんなに派手にするよりも、どうせお金をかけるならリズム感を鍛えたいところですね。

で、最後は歌手ならば歌です。役者さんなら演技力って話ですが、歌も演技に関しても10歳くらいである程度天才的かどうかというのは判断つきます。

「あ、うまいな。プロ歌手レベルになるな」というのはすぐわかります。1万人に一人か、10万人に一人か、世界を圧巻するような人ならば100万人に一人とか、そういうレベルでしょう。こういう子に出会いたい、と思いながら、いつもオーディションしています。

でも、そういう子(天才)に出会えないことがほとんどです。僕が思うに、重要なのは、それ以外の子たちです。ある種の「天才」の、次のヒエラルキー(場所)にいる子たち。この子たちを見つけ出し、いかに訓練でプロにしていくか。ここが重要なわけです。

結局、たいていの子にチャンスがあるわけです。正直、歌も演技もやれば絶対にうまくなります。レッスンを積めば1年前と比べて絶対に上手くなります。

なので、僕がオーディションで選ぶ場合の理由としては、この伸び率の高そうな子。努力の出来る子(好きでやる子はこういうのを努力と感じず楽しみながらガンガンやれるようです)。

……というような項目を掲げましたが、全てはバランス力。なので、何かだけ突出して良いというより、色々備わってるに越したことはないです。いずれにしても、日々どう備えるかが大事。学校のテスト勉強のような一夜漬けでは、芸能界では勝ち残れないように思います。

これは芸能界だけでなく、人生を行き抜くにしても、所作、考え方、チームワークや協調性、ディベート力って大事だと思います。

バランス時代である現在は「芸能人だから」とか「CA目指すから」ということだけでなく、普通の会社員になろうが、お嫁さんになろうが、いろんなことが出来る方が優位と思われます。

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つんく♂
総合エンターテインメントプロデューサー / TNX株式会社代表取締役社長。1992年、ロックバンド・シャ乱Qのボーカリストとしてデビュー。音楽家として作詞・作曲と、「モーニング娘。」をはじめとした数多くのアーティストプロデュースを手がける。