つんく♂から、モーニング娘。'24と前リーダー・譜久村 聖へのメッセージ。
2023年11月29日に譜久村聖がモーニング娘。を卒業しました。
僕は現場に立ち会っていませんが、すぐ動画を観せてもらいました。本人たちが一番感傷的になったのは間違いないと思うけど、僕は僕なりにたくさんの思いもあり、これまで言語化するのがまあまあ難しかったです。セットリストに並ぶ楽曲だけでも、たくさんのことが溢れてきますからね。
前置きはさておき。年に数回しかライブを行わないグループは別ですが、どんなグループでもツアーを20公演以上行うとなると、その日、その公演での出来不出来というのを感じると思います。
これは僕もそうでした。ツアーファイナルで武道館3DAYSがあったとしたら、別に他を手を抜いているわけではないにしても、もちろん最終日は気合が入ります。ツアー初日には思った以上の緊張感や不安もあるので力みますし、長期のツアー途中は当然、中弛みもあります。
じゃあ、「中弛みするとその出来が良くなかったのか」というと、実はそうでもなかったりします。公式のDVD等にはなっていませんが、資料用に記録してあった動画をこの歳になってから改めて観てみると、面白い発見があるものです。
気負わずさらっとこなしているように記憶している公演でも、実はとてもリラックスしていて、全てが自然な感じで、スルスルと大きなトラブルなくライブが進んでいきます。「シングルベッド」や「My Babe 君が眠るまで」のようなシリアスな歌詞の曲も、変に気負ってないので、すっと心に入ってきます。盛り上がりで歌う「ズルい女」も、自然にダンスのリズムが取れていて、歌が安定していました。
逆に、DVD や番組収録が入っているようなライブは、メイクも濃いし(笑)、気合い入りまくってるから、何だかぎこちないんです。バラード曲も「俺の歌を聴け!」「よし、いっちょ歌の上手いとこ見せたろ!」というような押し付けがましい感じがして、なんかたどたどしいのです。今観るとハズいわけです(笑)。
まあ、それでも俯瞰で観れば、そんなことも含めて可愛いもんだ! って話です。まだまだ若造ですし、頑張ってる感があります。思えば、ファンの方々にもたくさん来てもらって、とてもありがたい話です。贅沢ですね。
結局、正解はありません。人間の心のバランスを取るって、意外に難しいわけです。
さて、モーニング娘。'23 コンサートツアー秋「Neverending Shine Show 〜聖域〜」譜久村聖 卒業スペシャルの話に戻ります。
この日はメンバー全員にとってやはり特別な日になるわけです。収録もあるし、生中継もやってるし、関係者も来るし、新人もいるし。で、譜久村は卒業していくし。ファンのみなさんも「誰が観に来てるかな!?」とか「何かハプニングでも起こらないか!?」と言わんばかりの前のめり感満載です。普通にさらっとやりこなせ! って方が難しい。
そんな緊張感の中で始まった本公演。映像を観ても、十分過ぎるほどの気迫を感じます。現場に僕がいたら、酸っぱくなるほど、「落ち着いていけ〜」「気合い入れるな〜」「息を全部出してから歌え〜」「リズムを止めるな〜」「感動するなよ〜」「泣くなよ〜」「MC短く〜」「笑い過ぎるな〜」なんてもう、本当にうるさいこだわり親父になってしまうところですが、画面を観ながら手に汗を握ります。まあ、スペシャルデーだし、この日のことは細かいチェックはせず、お話を進めて行きますね。
ツアーラストということもあり、リハーサルをやり終えたばかりのものでなく、ツアーを通してある程度体に叩き込んだ、体が覚えている動きです。気合いが入って、緊張感があっても、体が自然に動いているのがわかります。
めちゃ上手い演奏家が譜面を見ながら初見で弾いてるのでなく、何カ月も練習して体に叩き込んだ演奏のように力強く、自分を信じている感じがします。
さて、ここからはメンバーそれぞれのパフォーマンスを観ていきます。新メンバーも加入したばかりだと思っていましたが、想像以上に馴染んでいます。
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