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令和のアイドルを生み出すインフラ論

はい、どうも〜。先日、譜久村(モーニング娘。'20リーダー)と対談を終えたばかりの、つんく♂です。

2019年末から、オンラインサロンを始めました。基本クローズドな世界なんで、中で何やってんだぁ!? ってな話ですが、ざっくりいうと。

アイドル論。
作詞作曲論。
プロデュース論。
クリエイトとは。
裏方の大事なこと。

などなど、エンタメに関して、僕の経験上、大事と思うことをエッセイとして書いたり、それを元に意見交換などを行ってます。月に一度はオンライン生配信で、ミーティングもしてますね。

そんな中、言い出しっぺは僕なんですが、「サロンでコンテンツをもちたい! 映画を作りたい!」という話になりました。すると思いのほか盛り上がりまして、賛同してくれるプロデューサーも出てきて、気がついたらショートムービーを3本作る計画が立ち上がりました。

『中2』をテーマにした映画制作

まず思いついたのは、テーマを「中2」とすること。結論を先にいうと、「中2」には無限の広がりがあるからです。

振り返れば、僕が子どもだったころ、「花の中3トリオ」という女の子たちがいました。山口百恵、桜田淳子、森昌子。まあ、時を代表するスターたちですね。そんな彼女たちが『スター誕生!』という番組から駆け上がってきた時期。それがちょうど中2ごろだと思うんです。小学生だった僕は毎週日曜、スイミングスクールから急いで帰って、この番組を見るのが楽しみでした。ドキドキして見てました。

思えば、後藤真希、松浦亜弥と出会ったのも、だいたい彼女たちが13〜14歳あたりの頃。パワー漲ってましたね。僕自身も、人生鍛え直すなら中2からやり直したいと思う。だって中2からだったら何でもやれるし、何にでもなれそうな気がするから。

中1は、小学生の延長線。
子どもから大人として羽ばたいていく、ちょうど中間点が「中2」。
中3には、将来がずっしりのしかかってくる受験がある。

こんなこともあって、無制限の青春感と、自由と夢がある「中2」をテーマにヒロインを募集したわけです。

映画は総合的なエンタメコンテンツのテーマパークや〜

「映画」には総合的なエンタメコンテンツが詰まってます。ヒロインを育てていく過程で、音楽ユニットを作ることも出来るし、劇団を作ることも出来る。めっちゃ広がりを感じるわけです。

じゃあ、映画をどう作っていくか?

ここが問題です。映画を作るには原資(制作費)が必要です。

一般的に、映画は大きなスポンサーによって原資が確保されてきました。ビジネススキームとしては、映画の入場料。そしてDVD等の販売。テレビ局などに放映権を売る。などですね(もっといろいろあるけど)。

では、これからはどうでしょう。きっとひとりひとりが自分が観たい映画を作っていく(直接応援する)時代になるんじゃないかと思います。

とはいえ、どんな映画を作るにしても原資は必要です。この「中2映画」はクラウドファンディングで原資を賄おうとしています。

こういうイベントは、定期的にやり続けることで市場も大きくなり、ファンも増え、映画以外にも広がっていくわけです。なので、出来れば毎年「中2映画」は作りたい。そうするには、この企画への応援者、支援者が必要です。

そして、サロン外のみなさんにも「中2」をテーマに映画を作っていただき、「中2映画祭」を開催する。……ああ、めちゃ夢あるやん。お父さんが自分の娘を主役にした映画とか、マジで観てみたいし。

映画が作れるということは、そこからたくさんの新人スターを生み出すことが出来るということです。新人たちは作品を作りながら自分のスキルをアップさせていくという作業に入っていき、18〜20才くらいには演技力、表現力を兼ね備えた女優に仕上がっている。そういう算段でございます。

逸材が集まった「中2」オーディション

さて、そんなわけで始動した「中2」映画企画ですが、始まったとたんにコロナ禍となり、動きが超スローとなってしまいました。同じくして、僕の頭も思考停止になっていた時期があったのも事実です。

そもそも「映画を作る!」と言い出したものの、予算はないですし、サロンもまだまだ赤字。ヒロイン募集の告知も、TwitterなどのSNSのみで、宣伝費はゼロ円。この取り組みを「Deview」で取り上げていただけたのもあって、ネットの世界の中でいい感じに拡散されていきました。まあ、大きくバズることはなかったけど、少しづつ応募は増えていきました。

結果的に夢や希望を描く女優志望のみなさんから、キラキラした応募が多数寄せられました。まあ、僕のやってたモーニング娘。やホリプロさんのスカウトキャラバンなどと比べるととても小さな規模だけどね。

しかし、ここで僕らがラッキーなのか、何がどうなったのかわからないけど、小規模なオーディションにもかかわらず、ものすごく水準の高い子らが応募してきてしてくれました! 驚きです! オーディションは、すべてリモートで進めていきました。

正直、僕もスイッチ入ったね。過去、モーニング娘。の追加オーディションで約1万人応募の中から1〜2名選ぶ時ですら「今回はごめんなさい」って、新メンバー加入なしにするくらい選抜出来なかった時もあったのに。このヒロインオーディションを進めていく中、次の段階で「20名に絞ろうね」って話していたにもかかわらず、結果40名にしか絞れず。それくらい、魅力的な子が多かった。

ファイナルでに10名を選考する際も、「映画の題材が違ったら、この子もヒロインだったよね」なんて言いながら、泣く泣く絞った。かなり幸せなオーディションとなりました。

さあ、この逸材たちをどうする!? つんく♂!!

「中2映画」はクラファン映画

で、夏あたりまではオーディションも順調。「あとは映画の内容固めて、撮ればいいね。素材ええから絶対ええのが出来るでしょ」「内容に凝るより、ヒロインがヒロインたる映画を撮って行こう!」とサロンのみんなと話していました。

あ、このプロジェクト、ヒロインも新人ですが、映画の制作してくスタッフ&関係者もみんな新人です。「中2映画シリーズ」では、ヒロインだけでなく、制作陣営も育てていき、次なるエンタメシーンを支えていく人を輩出したいという、僕の思いがあります。

重要なのは、映画の製作費。

さあ、予算ゼロ円からのスタート。政治でいう「国民の信を問う」じゃないけど、この中2映画は「エンタメ住民の信を問う」という意味で、クラウドファンディングでご支援いただくわけです。

もしも「中2」という次世代ヒロインを世の中が求めてないのであれば、映画は作れない。諦めるしかない。そして、中2映画市場が温まるまで何度も準備&挑戦していくしかない。そう考えたので、クラウドファンディングも、満額達成しなかったら映画は実行しない方式にしました。不成立の場合は返金です。

「映画なら公開してからの入場料やDVD販売での回収も見込めるでしょ?」と言われるんですが、僕は「いや、映画の公開は無料でやるんだ!」と、進めてきました。

そんな気持ちでオーディション等もろもろ進めてきたんですが、ここにきて「『中2映画』をなぜ無料で公開するんですか」と、映画スタッフからの質問がありました。昨年から一緒にやってきてるスタッフですら、映画の無料公開に戸惑っている。

ほぉ〜、なるほど。

ということは、エンタメリテラシーの高い業界のみなさまは当然ながら、世間のみなさまも「なんで!?」となっていることでしょう。

動画サブスク戦国時代

じゃあ、「なぜ『中2映画』を無料公開するのか」。
  
音楽に引き続き、ドラマも映画も今はサブスク。今年、コロナ禍で自宅待機を余儀なくされたみなさんの中にも、サブスクの動画サービスを契約した方も多いと思います。有名な映画も、テレビドラマもたっぷり入っているし、いつでも見れるし、途中で止めれるし便利ですもんね。それでも、まだまだ新作は別途課金。映画も新作が劇場公開されるなら、当然有料です。

大事なことは「サロン内でオリジナルコンテンツを持つ」ということ。そして、この「中2映画」に関しては、無料で一般公開すること。一人でも多くの方に見ていただくことが大事なのではないかと考えました。それが、次のスターを作ってく一番大事な要素なのではないか。せっかく持ったコンテンツが宝の持ち腐れにならないように、敷居を下げようじゃないかと。

僕の考えとして、ここでの「コンテンツ」というのは「映画」や「音楽」という作品そのものだけでなく、「アイドル」や「女優」「男優」そのものや「監督」「プロデューサー」「作家」なども、キャラクターコンテンツだと考えております。代替えのきかないものは全てキャラクターコンテンツという考えですね。

量産型ザクではいかんのだよ

例えば、単なる量産型の作家ではなく、顔が見えるキャラ。量産型ザクやジムでなく、ガンダムやシャアなどの個性のあるキャラでありたいということ。ブライトさんも、セイラさんも、カツ・レツ・キッカも、サブキャラだけど顔の見えるキャラやん? だってそれぞれにファンがいるもん。だから「中2映画」からいろんなキャラのスタッフが飛び出してくれたらいいなぁって。

コンテンツを作り、新人を生み出して、クリエイターが育って、キャラが成立したら、循環させていく。そのインフラ環境の中で、どんどん作品を作っていく。これが理想。

この一連のインフラ含めた連鎖がうまく成り立てば、コンテンツも増えていくし、プロデューサーやディレクター、クリエイターも成長し、育って羽ばたいてゆく。なんとしてでも、映画を作り続けること。これこそが、負のスパイラルからの脱却です。
  
音楽も同じです。

音楽を聴きたい! 
音楽を使いたい! 
仲間と盛り上がりたい! 
カラオケで歌いたい! 
なのに、音楽を作る予算がない! 
レコード会社もお金がない! 

……残念ながら、今はそんな時代です。映画を作るにしても、音楽を作るにしても、ヒットするためのビジネス循環していないので、好循環してた時期のように作品が作れないんです。原資がないですからね。
  
でも、負のスパイラルからの脱却を達成しなきゃいけない。コンテンツを作り続けるしかない。で、原資がない時代にどうするか。

コンテンツが無限に作れるインフラ環境を整えたい!

卵が先か鶏が先か、という論点になりがちですが、どっちが先であっても、どうやって育てていくのだ? 食べ物がなけりゃ、飢え死にするではないか!
  
素晴らしいデザインが出来上がっても、車体の軽量化に成功させても、車でいわばガソリン(電気でもいいのだよ)がなければ、走れないということ。

僕が目標とするのは、「コンテンツが無限に作れるインフラを整え、体力をつける」こと。まず、燃料が必要です。それがまさに「サブスクアイドル時代」です。アイドルが無限に育っていく。そんな環境を整えたいわけです(この「サブスクアイドル時代」に関しては、また別途しっかり僕の理想を書きます!)。

「つんく♂エンタメ♪サロン」は、まだまだ規模が小さいので、全然思い通りではないです。それでも、スタートさせるしかなかったんです。赤字でもいいんです。でも、動いてみて見えたこともたくさんあるし。
  
結論として、「業界の負のスパイラル」から脱却するには、ここまでの考えに賛同いただき、応援いただくこと。一人でも多くの方に賛同、協力いただき、整えていく。僕自身も頭の中を心機一転始、やり始めていくしかないわけです。変えていくしか。

サブスクアイドル時代!? じゃあ、つんく♂は何をするんだよ!

「じゃあ、結果としてつんく♂は何やるんだよ!」

僕の結論は簡単。「超優良、良質のコンテンツを作り続けるしかない!!!」です。モーニング娘。やハロー!プロジェクト時代と結局同じこと言うてるやん! って? いえ、違います。

新しいインフラで、新しいアウトプットで戦う。この環境の中で、超優良、良質のコンテンツを作り続ける。その土壌が出来たら、映画や音楽だけでなく、いろんなコンテンツが作れます。超優良、良質のコンテンツを作り続ければ、きっと花開くとはず! 絶対にうまくいくはず! 楽しいはず!
   
だって、
みんな音楽聴いてるやん! 
映画観てるやん! 
面白いの待ってるやん! 
質のええのんスキやん!
  
これがはっきりしてるわけだから、やるしかないんです。僕も、過去のミリオンセールスなんかにぶら下がってはいられません。新たなチャレンジを続けるしかないんです。

超結論! 僕は良いエンタメ作品を作る。そのための環境も作る。その間、みなさんには僕の考えを、応援いただきたいんです(僕の情報をSNSで拡散してもらうとか、オンラインサロンやnoteでご支援いただくとかね)。

とにかく、「中2映画」は無料で公開します。どうぞ、このヒロインたちをスターにしてください! ご清聴(ご清読!?)ありがとうございました。応援のほど、よろしくお願いいたします。

(文 つんく♂ / 編集 小沢あや

【スタッフからのお知らせ】
今後、つんく♂note「プロデューサー視点。」では、つんく♂本人によるコラムのほか、著名人と対談企画も行っていきます。第1回目のゲストは、モーニング娘。’20のリーダー・譜久村聖さんに決定! お楽しみに。


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つんく♂noteを読んでくれてありがとうございます。テンションあがってます! クリエーターは、やっぱ評価されたいもんです。Twitterとかで感想を呟いてくれると、さらに嬉しいです! その時は「#つんくnote」をつけていただけると、もっとテンションあがります!

「すき」さんきゅ!
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総合エンターテインメントプロデューサー / TNX株式会社代表取締役社長。1992年、ロックバンド・シャ乱Qのボーカリストとしてデビュー。音楽家として作詞・作曲と、「モーニング娘。」をはじめとした数多くのアーティストプロデュースを手がける。

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コメント (3)
こんばんは!
ゼロ円でやるってすごくロマンがあって良いですね!
僕は誰にも言ってないのですが、、、
ランバ・ラルが好きです。
こんばんは。
私は地味にサラリーマンやってるだけで、アイドルの映画と言われてもピンとこないのですが、この記事読んでると血が騒ぐのが不思議です。
こんにちは。成る程。😊

大変、分かり易いですね。✨👼👨😊
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