加山雄三 12/2 ALBUM「DEDICATED to KAYAMA YUZO」収録 「愛しの流れ星」
加山雄三さんのアルバムに参加させていただきました! セルフライナーノーツです!
加山雄三さんがハワイでライブをなさるということで、飛び入り的にゲストとして出演させていただいたのは2年前。
こないだな気もしますが、少し時も経ちましたね。
ちょうどあの時、実は長男が盲腸になって急遽手術することとなり、家族みんなライブを楽しみにしていたんですが、妻と長男は病院で過ごすこととなりました。
長女と次女だけが観に来た思い出のライブです。
その後、加山さんにお食事にお誘いいただき、あの時会えなかった長男や妻も参加させていただき我が家族みんなが大変お世話になりました。
そして、その後に加山さんが「DEDICATED(捧げた)」をコンセプトにした芸能生活60周年記念アルバムを出されるという事でお誘いいただき、喜んで参加させていただきました。
僕は大学生の頃、邦画にハマり、当時レンタルビデオ屋さんに置いてあるような戦後から高度成長期あたりまでに作られた映画をたくさん観ました。
モノクロのものもカラーのものも含めてたくさんです。 何に興味を持ったかというと、映画には日本が成長していく様がつまってるんです。
昭和30年代も前半はこんな感じなのに、30年後半になるとがらりと様子も変わる。 昭和40年に作った戦争映画はロケ地なんかもまだ生々しい場所も残っていたのか、今のようにCG合成じゃないのに、とても迫力があったりね。 人の言葉遣いも変わっていくし、街ゆく人たちの普段着も変わっていく。 こんなのがなんとなく楽しくってね。
映画の内容もそうですが、戦後の日本がガンガン発展していってる姿を見るのが大好きでした。
そんな一つに加山さんの若大将シリーズ(1作目は1961年発表)がありまして、主人公が大学生でね。
観てる僕も現役の大学生だったわけですが、1作目から25年以上年月が過ぎているにもかかわらず、何一つ勝ててないような気がしてました。
日本が一番バブリーだった時代のはずなのに、僕の方が全然チープで、若大将のすごいスケールに圧倒されるというか、悔しさというか、世の世知辛さも感じたりしてました。
とはいえ、映画には夢がいっぱいつまっていて出演者もみんなキラキラしてて、かっこいい。 で、しかも、若大将はギターも弾く。
こりゃぁ~大スターになるべき人だよなぁ~。 なんて思いながら観てました。
そのころにちょうど加山雄三ベストのCDを手に入れたので、リック・アストリーとかマイケル・フォーチュナティーとかをカーステでガンガン聴いてる最中に、時折「流れるそ~らのほしくず~♪」なんてのをボリューム最大で流しながら、一人真夜中の阪神高速環状線をグルグルとドライブしたものです。
当時の感想として、有名な「君といつまでも」や「お嫁においで」は当然、 知っておりましたが、流石にそれ以外にも知ってる曲、聴いたことのある曲もたくさんありました。
しかし、そのベスト盤を聴く様になってから知った名曲もあったわけです。
僕もバンドをやってたので、 特にロックアプローチのあるものは興味がありました。
面白いコード展開するなぁ~って思ったのが「蒼い星くず」と「夜空の星」です。
曲の出だしとサビの展開が同じ曲と思えない。 「なんだこの曲は。変態だ。」 と、アマチュアバンドマンながらにそう思いながら聴いてました。
でも、車に乗ってドライブするのになんとも心地よいリズム感なんですよねぇ・・・
カセットテープに入った曲をひたすら聴いているので、誰が作詞作曲したとか、そんなことも気にせず。 「まあ、スーパースターの役者さん歌(曲)なんで、どっかの大先生が書いてるんだろうな。」
ようするに同時のスーパーアイドルの曲を書くのは大作家先生だろうし、演奏も当てぶりで弾いてるフリで映画を撮ってるんだろうなぁ。まあ、ちょっと弾けるんだろうけど。 くらいに生意気にも思ってたわけですが、後にわかったのが、このすごいクレイジーな曲を書いてたのがまさに加山雄三さんで、演奏もなさってると。
度肝抜かれましたよ。
うんちく長くなりましたが、素人ながらに先入観なしで「すごい!」って思った曲のことはよく覚えてます。
今回のこのアルバムを作るということで、リリーフランキーさんとのコラボレーションで 僕は作曲を担当することとなりまして、リリーさんの意見を聞くまえに、僕は「蒼い星くず」をモチーフ曲として、この曲の雰囲気を持つ曲で参戦したい!とすぐに返答しました。
リリーさんも面白がってくれて、賛同してくれました。
ギターのリフで楽しめ、そして、サビでクレイジーな展開をし、でもって、普通は歌メロにしないようなギターのアルペジオ的なメロディーを意識して、作り上げました。
歌詞を書くリリーさんは結構苦労したかもしれません。 いえ、何より、普段自分で曲を書く人が誰かの作った自分を意識した曲を歌うほど、難しいことはないでしょう。
「俺だったらこの展開にいかないんだけどなあ」とか「ここ半音上のメロの方がいいんじゃないか」とかね。
でも、加山さんからの直しのリクエストもなく、楽しんで歌っていただくことができました。
ありがとうございます!
アレンジも任せていただけたんですが、アレンジャーの鈴木俊介氏には、「これはレトロなサウンドを復活させるんじゃなく、2019年(制作当時)の最新サウンドにしたいんだ。 なので、パーカッションの入れ方で最新のリズム感をうまく出してほしい。 こんな作戦会議の後にこの曲が出来上がりました! 今は、僕もハワイに住んでいるので、このご時世飛んで日本に帰ることもが出来ないかもしれませんが、ライブをなさる日があればまた参戦させていただきたいですね。
と セルフライナーノーツを書き上げておりましたところ、本日、体調崩されてた加山さんが無事退院なさったとのこと。
本当によかったと、そう思っております。
僕もこれより一層、精進してまいりたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします!
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