「こだわり」か「プロのテクニック」か。僕が楽曲制作するときに意識していること。
僕はこれまでずっと、作品制作やプロデュースの秘訣として「こだわりは不必要」という話をしてきました。
曲を作る時から始まって、歌詞を書く時も、ライブの曲順を決めたり、内容を考える時もそうです。
ある程度経験を積んでくると、みんな「このコード進行だったら、次はこうでしょ!」とか、「季節的に、ここの歌詞はこうあるべきだ」とか「コンサートでも、セットリストの中盤はミディアム曲を続けるべきだ」といった、なんらかのこだわりを持ちがちです。
でも、クリエイティブな活動において、そういうこだわりは不必要なのです。創作活動の広がりや閃きを邪魔するからです。
もちろん、ある種の「自分の勝ちパターン」のようなものは誰しも持ってるとは思います。しかし、クライアントや上司から「ここを変更してください」などの指示があった場合に、「はい」とすぐ対応出来るか。「いえ、ここにはこだわりがありまして〜」と、なかなか応じられないか。この辺が将来の問題(壁)となってくることが多いのです。
僕はこれまで、コラム等で「そういう時はこだわりを捨て、すぐ修正に入るのがよい」と伝えてきました。信憑性や実績を伴わない「こだわり」に時間をかけるよりも、新しいものを生み出す方が成長もするし、実は手っ取り早いのです。
もちろん、俳句や川柳においてルールがあるように、歌詞を書くにも、曲を作るにしても、どのジャンルの中にも一定のルールがあります。その中を上手に泳ぐことが懸命だと思います。
ただ、そのルールさえもぶっ壊すのも一つのロックの考え方なんで、そこは捉えようですね。ポップスの場合たいていは4小節ひとくくりで、8小節単位で構成するのが、お茶の間的には体に馴染みやすいですが、それだけが正解ではありません。
時には規則外でも大ヒットが生まれることはビートルズでも証明されています。彼らの「イエスタデイ」は7小節で始まる不思議な曲ですが、リスナーは「不思議だな〜」と感じないはずですからね。
さて、今回のコラムのテーマは「とはいえ、僕にもこだわりってあるのだろうか?」。自問自答し、たどり着いた結論です。
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