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つんく♂が「歌手」ハローキティをプロデュース! サンリオデザイナー山口裕子さん対談
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つんく♂が「歌手」ハローキティをプロデュース! サンリオデザイナー山口裕子さん対談

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noteマガジン「つんく♂の超プロデューサー視点!」、今回の対談ゲストはハローキティの担当デザイナーをつとめるサンリオの山口裕子さんです。1980年から「ハローキティ」のデザインを手がけ、世界でも有名なキャラクターに育て上げた立役者。世界で活躍するには何が大切なのか?山口さんのデザイン視点、そしてキティに抱く「長年の夢」を打ち明けてくれました。対談前編はこちら。
<文 羽佐田瑶子 / 編集 小沢あや(ピース株式会社)

時代によって変化する価値観やトレンドに、敏感に反応する


つんく♂:キャラクター設定は、作りながら考えるんですか?

山口:後付けです。キャラクターを作ってから、徐々に性格を決めていくんです。キティは2024年に50周年を迎えるんですが、徐々にキャラクターを決めて、家族や彼氏を増やしていきました。

山口:ファンからいろんなことを聞かれるじゃないですか。たとえば「ボーイフレンドいるんですか?」と聞かれた時、人気芸能人が交際をひた隠しにしていたような時代には、キティも存在を曖昧にしていました。だけど、ある日テレビを見ていたら、安室ちゃんが「彼氏います!」と、あっけらかんと話していたんです。それを見て「言っていいの!?」と驚きつつ、社会のムードが「隠している方がダサい」みたいになっていったんですね。

芸能人も、続々と交際をオープンにしていった中で、キティも遅れまいと彼氏を公表することに決めました。それが1999年3月、ダニエルの発表です。「トレンドに置いていかれてはいけない」と、常日頃思っています。

つんく♂:それは大事なキーワードですね。

山口:トレンドだけじゃなくて価値観も、時代によって変わりますから。そこには敏感に反応できるようにしようと思っています。

つんく♂:モーニング娘。も「どれくらい決めていたんですか?」って聞かれるんですけど、ほとんど成り行きですからね。やりながら、いろんなことを決めていきました。

山口:決めすぎちゃうと、自由度がなくなっちゃいますよね。

つんく♂:そうですよね。ただ、立ち上げ当初、僕は恋愛に関しては「禁止」とは言ったことがなかったんですけどね。他のアイドルプロデューサーは「恋愛禁止」を売り文句にしてるところも多いみたいで。

山口:それぞれに恋愛してもいいと、私は思います。

つんく♂:最初の1〜2年は活動が大変だろうし、本人もそれどころじゃないと思うんですよ。ただ、そこからが勝負ですよね。プロとして自分をどう見せるかです。結局、素人の感覚で恋愛をしちゃうと「歌手」が超おろそかになるんですよね。恋愛していいかどうかとは別問題で、「ダメ」になっちゃう子も多いように思います。

世界中で放送される「紅白歌合戦」にハローキティを出したい

つんく♂:山口さんからつんく♂へ質問はありますか?

山口:質問というか、伝えたいことなんですけど。今回、つんく♂さんから提供いただいた楽曲が、キティの歌手デビューになるんです。もともと「ハローキティチャンネル」というYouTubeチャンネルで「キティが歌ってみた」という企画を何度かやっているんです。

山口:でも、普段キティが歌っていることをみんな知らない。もっとキティの魅力を伝えるためにも、歌手として、世界で放送される唯一の日本のテレビ番組「NHK紅白歌合戦」にキティを出場させたいんです。

つんく♂:それ、めっちゃ面白いじゃないですか!

山口:キティという“キャラクター”が、歌手として紅白に出場する。キャラクターがゲスト的な立ち位置や歌手の人の脇に立っていることはあっても、歌手として出場するのは初めてのことだと思います。やっぱり、キティはそれをやりたい。

10年以上前になりますかね。一度だけ、プロデューサーの方にお会いするチャンスがあって「どうしたら紅白に出られるのか」直接伺ったんです。そうしたら「キティちゃんにCDを出してもらって、ヒットさせてください。それが第一歩です」と言われて。なので、やっとつんく♂さんのおかげで、第一歩を踏み出すことができました。

つんく♂:僕はそんな野望も知らずに、楽曲提供の話だけもらってたじゃないですか。だけど、今の話を聞いた上で曲をつくるとしたら、ちょっとまた違う作戦を立てていたかもしれないです。

山口:違う作戦ですか。

つんく♂:今は、ハロー!プロジェクトとのコラボという方向性の楽曲ですけど、世界的に打ち出したいなら、もっと別の楽曲になったはず。実際にキティちゃんは世界中で愛されているので、英語で歌う可能性もあると思うし、featuringで世界的なアーティストとコラボレーションさせる方向性もあると思います。

山口:そうですかね。キティはつんく♂さんにプロデュースしてもらって、世界で歌えるようになれば満足です。

つんく♂:それは、可能性ゼロじゃないと思いますよ。本人のポテンシャルがすごいから。

山口:歌手としての実力もありますよね。つんく♂さんもご存知のように、キティは歌がすごくうまいじゃないですか。

つんく♂:うまい。リズム感とかにびっくりしました。

山口:それでいて、ダンスもうまいんです。これだけ、歌手として能力が高い子を世界中の人に見てもらいたいと思うんですけど、サンリオピューロランドの中だけで歌って踊っていては、世界中には知られないんですよね。その場所に行かないと魅力に気づけない、っていうのは広まる可能性が狭すぎて。

つんく♂:こんなに条件が揃っているのに、なんででしょうね。

山口:わからないです。他のアーティストとは違って病気もしないし、スキャンダルもないのに。

つんく♂:英語でも歌えるんですか?

山口:歌えます。うまいですよ。

(つんく♂考え込む)

山口:つんく♂さんが英語の歌を考えている。口ずさもうとしていませんか?(笑)

つんく♂:(笑)

山口:キティをハワイで、英語で歌わせてください。

つんく♂:あの、真面目な話で、1〜2年単位の宿題として預からせてもらってもいいですか? ちょっと真剣に考えたいです……やっぱり、紅白出ましょうよ。

山口:はい、出たいです。

つんく♂:これだけ広く認知されているキャラクターだし、可能性はあると思うんですよね。ちょっとワクワクしてきました。

ハローキティとBTSの共通点は?山口さんが考える世界で活躍する方法

つんく♂:キティが世界で人気になった理由を、山口さんはどう考えているんですか?

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総合エンターテインメントプロデューサー / TNX株式会社代表取締役社長。1992年、ロックバンド・シャ乱Qのボーカリストとしてデビュー。音楽家として作詞・作曲と、「モーニング娘。」をはじめとした数多くのアーティストプロデュースを手がける。