OKAMOTO’S、デビュー10年の歴史をつんく♂が深堀り! ハマ・オカモト対談
noteマガジン「つんく♂の超プロデューサー視点!」、対談企画第10回目ゲストはOKAMOTO'Sのベーシスト、ハマ・オカモトさん。実は初対面というふたりですが、意外と接点も多いよう。ハマさんの音楽遍歴につんく♂も興味津々。ミュージシャン同士ならではの、濃厚トーク満載です。後編はこちら。
(文 藤谷千明 / 編集 小沢あや / 撮影 ヤギシタヨシカズ)
実はレーベルの先輩後輩だったシャ乱QとOKAMOTO’S
つんく ♂ :ハマくんのことは、『FULL CHORUS(ベッキー、ハマ・オカモトがMCをつとめ、モーニング娘。らが何度もゲスト出演していた番組)』の番組越しでは観てたんだけど、初対面やね。
ハマ:画面越しに(笑)。
つんく ♂ :ハマくんは、芸能活動を始めて何年くらいなの?
ハマ:今年で11年目になります。デビュー当時は19歳でした。
つんく ♂ :それは、今のバンドとしてのデビュー?
ハマ:はい、OKAMOTO'Sですね。
つんく ♂ :結構長いね。ずっと(レーベルは)ソニー?
ハマ:そうですね。事務所もソニーミュージックアーティスツで、レーベルも変わらずです。
つんく ♂ :あれ? 今はシャ乱Qもレーベル的にソニーかな? じゃあ、レーベルメイトやな。
ハマ:仲間って言っていいんですか(笑)! そもちろん、それがなくても大先輩ですけど。
つんく ♂ :じゃあ、OKAMOTO’Sはソニーで10年? ソニーも辛抱強いんやな。
ハマ:あっはっは!
つんく ♂ :俺ら(シャ乱Q)はアマチュアからメジャーに上がってきて、2年目でクビ切られるところやったから。10年続けてくれているのは、すごい。
ハマ:はい。ありがたいことに。でもシャ乱Qはそんなんだったんですね。
つんく ♂ :契約が切れるギリ手前で「上・京・物・語 」ってシングルがスマッシュしたので耐えたけどね。
ハマ:「上・京・物・語 」のヒットは、そのタイミングだったんですね。その頃、つんく ♂さんたち自身も「このままだと、2年の節目でクビを切られる」という予感があったということですか?
つんく ♂ :まあ、予感というか最初の契約が2年やったからね。ガチでレコード会社内の空気がモワッとしてくるんよ。
ハマ:あははは! レコード会社の空気が! 同じとは言いませんけど、僕らもその「空気」を感じることはあります。「来年どうする?」って、打ち合わせとかで……(笑)。
つんく ♂ :3枚目のシングルが契約後、1年半が経過した頃のリリースだったんだけど、完全に空気が変わったね。それまでべちゃくちゃ喋ってくれてた受付の子との雑談がばったりなくなってね。スタッフとの打ち合わせも、長期的な前向きな話にはならないんだよね。1年とか先の会話になると、なんかゴニョゴニョするの。
ハマ:ああ、わかります。それで察しますよね。僕らも常にハッピーな状態でやってこれたわけでもないので、ニュアンスはわかります。
つんく ♂ :だからやっぱり、10年はすごいね。ソニーもここまできたら手を引けないんかな(笑)。
ハマ:それもちょっと感じてるんですよ。さすがに、もう見捨てられないんじゃないかって(笑)。以前はガムシャラだったこともあって、あまりそういったことに考えは及んでいませんでしたが、10年経ってありがたいと思いました。ご時世もありますし、バンドを続けたいから続けられるものでもないし。
つんく ♂ :でもここだけの話、今の時代、「レコード会社なくっても、自分たちでやれるんちゃうか!?」みたいな話になったりしない?
ハマ:つんく ♂さんは長年音楽業界をご覧になっているから、余計感じていると思うんですけど、この10年間でかなり業界のシステムが変わりましたよね。とくにここ3年くらいで、バンド内でも悪い感じではなく、いい意味でそういった話が出ることはあります。だからこそ、どうしていくのがバンドとレコード会社双方にとっていいのか、前向きに考えていますね。
つんく ♂ :そういう意味では俺らの頃より、バンドが力を持ったのかもしれんね。レコード会社の力が弱まったのもあるだろうけど。
ハマ:どっちもあるでしょうね。
つんく ♂ :昔のレコード会社の力はすごかったよ。なんせ、俺らには「YES」しか答えがなかったから。
ハマ:「NO」がない(笑)。
「カエラちゃんとYUKIちゃんがいるから絶対大丈夫」で事務所と契約
つんく ♂ :シャ乱Qとして契約したレコード会社がレーベルが吸収と合併を繰り返して、結果的に色んなレーベルに所属したことになるんやけど、現状はどうやらソニーさんで落ち着いるみたい(笑)。そもそも、デビューを決めたのはBMGビクターのRCAレーベル。ありがたいことに数社からデビューの誘いがあったんやけど、その中にB’zが所属するレコード会社があったわけ。「あんだけ売れているB’zがいるから、ここにするしかない!」って即決したね。でも、すぐにB'zさんが独立レーベル作って出ていくことになって。「ええ〜! まじ!?」っていう(笑)。
ハマ:僕らも高校卒業後すぐデビューしたので、レコード会社を選ぶときに似たような話はありました。僕が加入する前、前任ベースは別の同級生だったんです。その状態のOKAMOTO’Sを事務所が見つけて、デビューの話をしていたんです。そのベースは大学進学を理由に脱退することになって。
つんく ♂ :その彼も、中学から一緒だったの?
ハマ:そうです、ウチのギターとは幼稚園から幼馴染で、今は相対性理論というバンドのベースをやっています。当時、僕は「閃光ライオット」という10代だけが出場できるコンテストに出るための即席バンドを結成していて、そこでパーカッションを担当していたのが今のドラムです。その流れとOKAMOTO'S本体の流れが同時並行してたので、本体からベースが抜けるってなったときに、こっちの即席バンドの方は1年で解散したこともあって、そのまま「ハマくんにお願いしたらいいんじゃない?」って。
つんく ♂ :へ〜。その時点では、まだアマチュアやろ?
ハマ:アマチュアです。僕はデビューの話を何も聞かされていなかったのに、ライブをソニーの人が観に来てるんですよ。だから、最初は「どういうこと!?」って、結構揉めたんですよね。さっきのB'zの話じゃないですけど、僕らもまだ子どもだったんで、事務所を選ぶ判断材料がないんですよ。結局、ウチのドラムが当時木村カエラさんとYUKIさんの大ファンだったので、「(ソニーは)カエラちゃんとYUKIちゃんがいるから絶対大丈夫だ!」って言い出して(笑)。
つんく ♂ :(笑)。
ハマ:「(奥田)民生さんもいる!」とか。もちろん、蓋を開けたら知ってるミュージシャンはもっとたくさんいましたけど。今、つんく♂さんからB'zのお話を聞いて、思い出しました(笑)。
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