OKAMOTO’Sに必要なのは「直球力」! つんく♂&ハマ・オカモト対談
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OKAMOTO’Sに必要なのは「直球力」! つんく♂&ハマ・オカモト対談

noteマガジン「つんく♂の超プロデューサー視点!」、対談企画第10回目ゲストはOKAMOTO'Sのベーシスト、ハマ・オカモトさん。後編はOKAMOTO'Sの9月発売のニューアルバム「KNO WHERE」の話も交えて、さらに深堀りします。前編はこちら。
(文 藤谷千明 / 編集 小沢あや / 撮影 ヤギシタヨシカズ

2010年代の半ば、音楽シーンが四つ打ち楽曲メインに


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つんく ♂ :ハマくんに一番聞いてみたいのは、この先バンドをどうしたいと思ってるかってこと。 もっと売れたいのか、今くらいの感じでずっとやれたらいいのか。

ハマ:メンバー4人で話していると、「売れる」ってワードよりも、「続ける」っていうワードが出てきますね。線引きが難しいんですけど、やっぱり制作して、リリースして、ツアーやって、大きなフェスやイベントに呼ばれ続ける位置にいる。それを続けて良いものを作って出す。それが最優先です。

つんく ♂ :なかなか優等生な答えやけど、それは食えてること前提なわけやん? 「売れる」ことからの、逃避行ではないよね?

ハマ:僕らより若くて、後から出てきてどんどん有名になっていくバンドもたくさんいましたし、その顛末も色々見てきた。だから、「売れる」については、正直なにが通用するのか、やればやるほどわからなくなってきているんです。

つんく ♂ :たとえば、ブギーやブルースって、そんなマニアックなものではなく、実はスタンダードなわけやん? ブギーやブルースを使って「売れる」べきヒット曲や代表曲を作ってるつもりなのか、世の流行りを避けてたのか。どっち?

ハマ:売れる曲を作ろうと、チャレンジはしたことあります。2010年代の半ばくらいに、僕らがいる音楽シーンも四つ打ち楽曲ばっかりになっていたんです。夏フェスに出ても、どのステージからも同じリズムが聴こえてくる状態で。「じゃあ、これやっときゃ人気になるのか?」って曲を作ったんですよ。作って演奏してみて気付いたことでもあるんですが、流行る(売れる)ということはやっぱそこに意味があるわけで「実はロックへの造形が深い」って捉えられることが多くて。そこで痛感したんです。「僕ら、流行りを馬鹿にしてたな」って。

つんく ♂ :なるほどな。

ハマ:「これやっときゃいいんだな」じゃ駄目だと思ったし、そういう下世話な狙い方は健康的じゃないということ。なので、結果的にやめました。今、世の中に響いているような曲を、僕らが急にやっても上手くこなせるとは思えなくなったのもあって。

OKAMOTO'Sの新境地ソング、つんく ♂ はどう聴く?


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ハマ:新しいアルバム『KNO WHERE』、聴いていただけたんですよね。つんく ♂ さんの感想を聞けるのは、純粋に嬉しいです。

つんく ♂ :もちろん全曲聴いたけど、この17曲目の「For You」は、初めてアレンジを担当したって言ってたよね。どうアレンジしたの?

ハマ:まずデモがあって、ドラムと僕はプリプロや現場でアレンジをすることが多いんです。でも、この曲に関しては「事前になにか意見があれば言ってほしい」と、作ったメンバーから言われてたのもあって伝えました。ただ今回、僕が伝えたのは本当にちょっとしたアイデア。「ブレイクしてキメが入ったら面白いんじゃないか」とか、「コーラスがいいんじゃないか」くらい。

つんく ♂ :この曲は、誰が書いたの?

ハマ:ボーカルとギターの2人です。

つんく ♂ :歌詞はボーカルが書いたの?

ハマ:そうですね、相談はされたけど、基本はボーカルです。

つんく ♂ :なるほどね〜。あれ? そういえば彼は英語喋れるんやっけ?

ハマ:はい。5歳までNYに住んでいて。それからはずっと日本で暮らしています。

つんく ♂ :この歌詞のテーマは……別れた彼女へのメッセージ?

ハマ:そうだと思います。ボーカルも結婚したばっかりなのによくこんな歌詞書くな! と思いましたね。あんまり深くつっこめなかったですけど(笑)。

つんく ♂ :(爆笑)。ただね、そんな背景知らずに聴いたんやけど、「あなたの人生の1ページに 俺の言葉一つ残せるなら その為に一生掛けてもいいな これくらい言わせてくれ」。このフレーズがすっと脳に入ってきたんよね。

ハマ:嬉しいです。

つんく ♂ :メロディもすごく面白いと思う。70年代っぽくも聴こえるし、「木曜10時のドラマのエンディング曲です」と言われたら、「そうなんや!」って思える感覚。

ハマ:今おっしゃっていただいた話は、メンバー3人もすごく喜ぶと思います。この曲も、大衆に向けて作ってやろうという気持ちはまったくなくて。でもやっぱり、売れたり認知されたりすることは大事ですし、そのチャレンジをバンドなりにやってきて、「For You」は、ここ5年間くらいやってる中の最新形態です。

「歌詞を一球入魂、ずぼーんって直球で書いてみて」


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つんく ♂ :言葉としてはふさわしくないかもしれないけど、エンタメにもやっぱり「撒き餌」って、絶対必要じゃん。

ハマ:はい、客寄せですね。

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「すき」さんきゅ!
総合エンターテインメントプロデューサー / TNX株式会社代表取締役社長。1992年、ロックバンド・シャ乱Qのボーカリストとしてデビュー。音楽家として作詞・作曲と、「モーニング娘。」をはじめとした数多くのアーティストプロデュースを手がける。