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「OWVの器用さは、進化したミニモニ。っぽい」 つんく♂×OWV座談会

noteマガジン「つんく♂の超プロデューサー視点!」。今回は吉本興業所属のボーイズグループOWV(オウブ)との座談会です。

後編では、OWVがつんく♂にさまざまな質問を投げかけます。「人の心を震わせるにはどうすればいい?」といったアーティストならではの悩みや、「売れたい!」という強い思いを曲やパフォーマンスに還元する方法など盛りだくさんです。前編はこちら。
<構成 結井ゆき江 / 編集 小沢あや(ピース) >

中川勝就、本田康祐、佐野文哉、浦野秀太

つんく♂へ質問「歌で人の心を震わせるには、何から始めるべき?」

つんく♂:では、後半は、つんく♂に聞きたいことを質問してもらいましょう。

中川勝就

中川:以前、BE:FIRSTさんと一緒に仕事をした時に、歌とパフォーマンスに心を打たれて泣けたんです。ステージには理想が100%投影されていて、すばらしかった。歌で人の心を震わせるには、どういうことを意識すればいいのでしょうか。

つんく♂:一撃で「誰が聴いても上手い」って思う領域があるよね。そういう、ある種で超特別な人は除くと、「歌唱力」という意味では、誰でも訓練すれば今よりはうまくなれるんだよ。1日にどれくらいの練習量がいいかは人それぞれだけどね。

俺は、「人に感動を与えよう」という気持ちはあまりいらないような気がしてる。だからって「適当にやれ」ということじゃなくて、「歩く」「自転車に乗る」「ご飯を食べる」のと同じで、歌を当たり前にしていくことが大事。

だって、「上手にご飯を食べてやろう」とか思わないでしょ? その人の食べ方のきれい・汚いとかはあったとして、それは後から直せるけど、「俺の食べ方で人に感動を与えてやろう」って考えないし、やればやるほど押しつけられる気がするやん。「その動き、いる?」みたいな。

何かを狙っているうちは、素人に毛が生えた程度。何回もステージを重ねると、ステージに立つことが普通になる。スーパーに行くような感覚でできるねん。その時のBE:FIRSTのライブを観たわけじゃないので、どういう感じだったかはわからないけど、歩くことが当たり前のようになるくらいまでたどり着けば、「どうやったら感動させられますか」みたいな質問は出てこないと思う。

中川:自然体になるくらい、体に沁み込ませるってことですか。

つんく♂:そうなるくらいにならないといけないよね。何も考えずに自転車に乗る感覚でやる。乗っちゃえば、すっといけるんだから。

中川:ありがとうございます!

浦野秀太

浦野:つんく♂さんは、ボーイズグループで一番大切なことって何だと思いますか?

つんく♂:俺がバンドしている頃は、同じふるさとの仲間から結成していったんだけど、OWVは全然違うやん。4人の団結力はどんな感じなの?

浦野:団結力はあるほうだと思います。ただ、国民プロデューサー(オーディション番組の視聴者)のみなさんに選ばれたわけでも、事務所に選ばれたわけでもないので、一般的なボーイズグループとは違いますね。

つんく♂:そうか。集められたバンドでもないし、同じ田舎から出てきた感じでもない。良い兄弟感があるよね。この距離感を維持できるかが、OWVにとって大切なことだと思う。仲良くなりすぎると喧嘩もするし、距離を取りすぎても続かない。

俺らの時は「日本一」がゴールだったけど、これからは世界戦やんか。メンバーと「ここに行こう」という気持ちを、どこまで保てるかだと思う。その目標設定と維持のさせ方が、これからの男性グループの魅力かな。

あとは、40歳の自分を想像してほしい。俺はこんなに長く続くと思っていなかったから、「若い時に、もっとこうすればよかった」と色々思うのよ。

浦野:ありがとうございます。

(声帯を摘出したつんく♂との座談会は、チャットも併用しながら行われました)

本田:僕、いいですか? つんく♂さんがこれまで手がけられた曲で、OWVに合いそうな曲はありますか?

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