近畿大学入学式2023年「祝辞」と「ウェルカムパフォーマンス映像」
つんく♂より祝辞
2023年度、新入生の皆さん、近畿大学へようこそ!
本日はご入学、まことにおめでとうございます!
近畿大学入学式プロデューサーのつんく♂です。
僕は1987年にこの近畿大学に入学し、1991年にたった4年で卒業いたしました、皆さんにとっては先輩、つまり近大のOBとなります。
僕は近畿大学在学中に結成したバンド「シャ乱Q」で、どうしても「日本一」になりたくて、自分のバンドを有名にするために、必死で関西一円くまなく宣伝活動をしました。
自分で言うのもなんですが、やがて大阪アマチュア界NO.1と言われるようにまでなりました。
僕は決まっていた信用金庫の内定を辞退し、大学卒業後、地元大阪を離れ、上京しました。
1992年に念願のプロデビュー。
ただ、東京にはしばらく馴染めず、売れるまでに時間がかかりました。
悔しいと逃げたくなった時もあったけど、大阪、近大時代に「自力でなんでもやって這い上がれた!」という自負(プライド)が自分たちを支えました。
数年後、100万枚以上売れるヒット曲もたくさん生まれました。
ですが、あの学生アマチュア時代の活動体験は、「結果、バンドが売れなかった」としても、社会に出てから、きっとしっかり役に立っただろうと思います。
その後、僕は音楽プロデューサーとなり、モーニング娘。や松浦亜弥、SMAP、TOKIO、Kis-My-Ft2などと一緒に、たくさんの音楽を作ってきました。これまでに2000曲くらいの楽曲をリリースし、ありがたいことに「日本一」にも何度もなれたわけです。
まさに「順風満帆!」って言いたいところですが、2014年、大きな病気が発覚しました。もう歌えなくなる病気です。
僕は手術して声帯を全摘出しました。
歌手として音楽家として、夫として、そして父として、正直ショックでした。当初、そのことを本当は誰にも言いたくなかった。不安でいっぱいだったんですよね。
でも、その翌年のこの近畿大学の入学式の中で、勇気を振り絞って、その「声を失ったという事実」を発表することにしました。
その時の僕の話を、真剣に聞いてくれている皆さんの表情や雰囲気に、とても励まされました。今でも心より感謝しております。
あれから8年。
僕は今も元気です。
だから今日も元気に皆さんに会えてとても嬉しいです!
さて、前置きが長くなりましたが、本日、先輩として、皆さんに言いたいことは1つだけです。
「それ、やり抜いてみて!」
たったそれだけです。
これからの人生、全ては自分次第。
「いいわけ」する人はどんな好条件でもネガティブ発言をします。
「ああすればよかった」「あれは失敗だったな」とか。
でも、伸びる人は、現実や、すべきことの「好きな部分」をすぐに見つけて、楽しみ始めます。「これでいいやん!」「あれがベストチョイスだったよ」と。
この差は大きいです。現状は同じ立場なのに、数年後の結果が大きく変わる思考なんです。
例えば、今、同じ近畿大学に入学した地点だとして、「所詮、近大やし」って思ってるのと「さ、近大でやってやるぞ!」って思いながらスタートするのとでは、数年後の人生が大きく変わっているでしょう。
大事なことは、「好き」かどうか。
ゲームばかりしてると、親や周りの大人が「ゲームばっかりして」「毎晩遊んでばかり」と言うでしょう。
でも、僕から言わせれば、「ええやん、それやりなよ!好きならもっとやろ!どうせならそれやり切って、近大一、日本一、世界一になろうよ!」って思います。
「信用金庫の就職蹴って、バンドやるなんてアホか」、僕もそう言われました。
でも、やり切った結果が今日の僕です。
日本では「アホなこと」と言われてしまうことでも、世界から見れば「ブラボー!」と、褒めてもらえることもたくさんあります。
SNSでアップしてたら、気がつきゃ世界ランカーってこともありうるわけです。
もし、やりたいことが変わったら、即、変更していいんです!それも近大ドリームの大きな考え方です。
かくいう僕もまだ夢の途中。
皆さんは僕の後輩だけど、ライバルでもあるんですよ!
コロナ禍を乗り切ってきた新世代の新入生の皆さんに近畿大学への入学を心よりお祝い申し上げます。
2023年4月1日
1991年卒業生
近畿大学入学式プロデューサー
つんく♂
つんく♂祝辞映像はこちら。
ウェルカムパフォーマンス映像
アカペラサークル「Over Scale」による「無理かもって思ったら それより先に進めない」と在校生オーディションにより結成された男女混合ユニット「KINDAI WELCOMES」による「Get the Glory!~もっと未来へ!~」のウェルカムパフォーマンス映像をお届けします。
【人気記事】
つんく♂noteを読んでくれてありがとうございます。この記事を気に入ったらスキを押して、有料部分もどんどんSNS等で拡散していただけると嬉しいです!その際は、#つんくnote をつけてつぶやいてください。自分のnoteに持論を書く人も歓迎!感想待ってます!